「ここにしかない大学」立命館APUは日本を代表する大学となり得るのか?

APU
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こんにちは、杖氏(@tsueshi-blog)です。

先日2020年5月25日に、立命館アジア太平洋大学(以下APUとします)の現学長である出口治明さんが書かれた『ここにしかない大学 APU学長日記』が出版されました。

この記事ではAPUの学生がこの本に書かれていることと、実際の様子を比較しながら紹介します!

この記事ではAPUに成長してほしいという期待を込めて批判的(critical)に書いています。

あくまで1人の学生としての視点と意見なのであしからず。

『ここにしかない大学』APUとは?

立命館アジア太平洋大学(Ritsumeikan Asia Pacific University、略してAPU)とは大分県別府市にある私立大学です。

学生と教員の半分は外国籍で、すべての授業が英語と日本語の2言語で開講されているなど、非常に国際的な大学です。

著者の出口治明さんは2018年からAPUの学長をしており、前職はライフネット生命保険の設立・経営をされていました。

APUについて詳しくはこちらの記事で紹介しています。

【APU】入学する前に知っておきたいことまとめ!【立命館アジア太平洋大学】

『ここにしかない大学』APUのいい所

APUの良い点については本やパンフレットなどを見ればいくらでも書いてあるので、3点に絞って紹介します。

APUは毎年変わり続ける

APUは2000年設立と歴史の浅い学校です。

また出口学長は学外から招かれたこともあり、非常に柔軟な環境が備わっています。

特に出口学長がAPUに来てからは、授業・受験などにおいて様々な変革が行われました。

また近くに新学部の設立や新しい受験制度が作られるなど、変化に暇がありません。

どんな人間も包み込んでくれる風土

APUには様々な国籍・出自・経歴の学生が混ざっています。

そのこともありAPUには他の大学にない、包容力があります。

起業している学生・社会人になってから学びに来る学生など、様々なバックグラウンドを持つ学生がいます。

APUにいれば「浮く」ことがありません。

学生は国際性を身に着けている

APUでは英語で授業が開講されていたり、様々なプログラムが充実しており、国際性の備わった学生が育ちます。

交換留学をはじめ、ダブルディグリープログラム・SEND・FIRST・SECOND・THIRDといった海外プログラムが豊富なのが一因となっています。

立命館アジア太平洋大学 留学・海外学習 実施プログラム

またスタディスキル・アカデミックライティング(SSAW)やマルチカルチュラルライティング(MCW)といった授業では、グループで活動する能力や国際生と授業に取り組む仕組みも作られています。

海外から来た国際学生は卒業までに母国と日本の2つの文化を知り、母国語・英語・日本語の3ヶ国語を身に着けています。

日本人学生は海外に出なくても学内に海外の文化が溢れていますから、様々な文化を体験することができます。

また英語の授業や英語を使った授業によって、卒業までに少なくとも日本語と英語の2ヶ国語を話すことができます。

『ここにしかない大学』では書かれていないAPUの悪いところ・課題

本や学校の発行するパンフレットでは書かれていない、APUの悪いところと課題を紹介します。

学生と教職員との距離は年々離れている

ある時僕は、APUの卒業生と話す機会を頂いたのですがその時感じたのは「昔よりも学生と教職員との距離が離れている」ということでした。

それこそ開校時は学生数が数百人だったこともあり、学生と教職員は近い距離にありました。

しかし学生の数が増え、学内の仕組みが複雑になるにつれ、相互のコミュニケーションが減ってきました。

もちろん学生側からアプローチをすれば関わりを持てますが、そのようなことをする学生のほうが少数です。

そのようなことから学生からは「オフィス(職員)の仕事は固くて、役所みたいだ」なんて言われることもあります(笑)

優秀な人材(教員)に欠けているという空虚さ

これは非常に由々しき問題です。

APUには優秀でない日本人教員が一定数存在します。

「教える気がないのでは?」と思うような授業をする先生や、「授業の内容と人格があまりにも薄い先生」などなど。

その授業を受けている学生は単位を取れるように勉強はしますが、内容がさっぱり理解できていないことも。

個人名は差し控えますが、彼らはその授業で満足しているのでしょうか?

AACSBやTEDQualといった認証をとってはいるようですが、それがあるから授業の質が完全に担保される訳ではありません。

APUの目標に対して、教員のレベルが追いついていないというのが実情です。

日本人学生のレベルは高くない

APUの偏差値は50後半と、高いわけではありません。

学力や偏差値が全てとは言いませんが、やはり学生のレベルも落ちてしまうものです。

例えば必修科目の1つ、基礎数学では高校1年生レベルの数学がわからない学生が多くいます。

(もちろん優秀な学生もいますよ?)

優秀な外国人学生という妄言

たしかにAPUには優秀な外国人学生がウジョウジョいます。

特に東南アジアや南アジアの貧しい国から来た学生は、その多くが驚くほど非常に優秀です。

APUには外国人学生に向けた授業料減免といった、制度が充実しています。

その制度は優秀だが所得が低い学生に与えられるものではないでしょうか。

僕は授業料50%減額されている国際学生を知っていますが、彼の家庭は非常に裕福です。(もちろん非常に優秀ですが)

そしてそのお金はどこから出ているのでしょうか?

実際に必要としている優秀な学生が奨学金をもらえてないという矛盾があるように感じます。

避けられない「本当に優秀な人材」の流出

やはり歴史ある優秀な大学に、開校してから20年のAPUは勝てないのでしょうか?

一部の優秀な学生は他の大学に転学することもしばしばあります。

僕が知る限り国際学生はオーストラリア、日本人学生は東京の大学に移ることがあります。

非常に残念ですが、彼らの気持ちはわかります。

学生・教員のレベル共に高いとは言えないからです。

すべての学生が出向できない現実

149ページには出口学長が日本生命時代に日本興業銀行に出向したという話が書かれています。

しかしAPU学生はそうもいきません。

APU学生が海外の大学に出向するためには様々な制約があります。

交換留学に応募するために必要な英語試験、現地での生活費や渡航費などが必要となります。

もちろんそのための奨学金もありますが、応募に条件があったり倍率が高かったりします。

他にも海外プログラム、例えばFIRSTの場合、10万円以上の参加費がかかります。

APUでは国際性を備えた学生になるためには両親の経済力が欠かせません。

APUは非常に魅力的だが課題もある

この記事では悪い点ばかりを取り上げましたが、もちろんそれを上回る良い点もたくさんあります。

そうでなければ僕も転学してますからね(笑)

またこの本はAPUに興味のある受験生だけでなく、教育関係の方も参考になる部分が多くありますのでぜひ手にとって見てください!

それでは杖氏(@tsueshi-blog)でした。

ごきげんよう〜

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